時間栄養学研究の最前線
Online ISSN : 2758-6723
腸内細菌叢の時間栄養学的研究
佐々木 裕之
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2021 年 1 巻 1 号 p. 1-9

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抄録
我々の腸内に約40 兆個も生息している“腸内細菌”。この集団を腸内細菌叢と呼ぶが、近 年、腸内細菌叢が我々の生理機能や疾患に関わっていることが報告されている。腸内細菌が 腸内で生存・増殖していくためには、我々が食べて、消化・吸収しきれなかった、水溶性食 物繊維などを栄養として利用する必要がある。つまり、我々の食べる食事内容によって腸内 細菌叢の構成が変化する。一方で、腸内細菌叢の構成は日内変動を示し、この変動は摂食リ ズムによって制御されている。以上を踏まえると、水溶性食物繊維の摂食タイミングによっ て腸内細菌叢に与える影響が異なることが考えられる。本項では腸内細菌と栄養素の関係 性や日内変動・体内時計との関係性を概説し、さらに、“いつ”食べるべきかについて調べた 研究について解説したい。また、本項を通じて「時間栄養学×腸内細菌叢」という学問分野 が発展することを期待する。
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© 2021 日本時間栄養学会
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