抄録
世界で最も高齢化の進む我が国において、健康寿命の延伸が急務となっている。運動器の 1 つである骨格筋は、運動のみならず糖や脂質の燃焼や生理機能の調節など生体の恒常性維 持に重要な臓器である。加齢や肥満、寝たきりなどさまざまな要因により骨格筋の質や量は 低下するが、有効な予防・改善法は運動療法以外にはほとんど確立されていない。運動だけ でなく、栄養状態に応じて骨格筋は代謝機能や筋肉量を変化させることで環境変化への適 応を促す。近年、機能性食品やタンパク質、ビタミンD を豊富に含む食品などを活用した 食事療法が注目されている。何を食べるか、だけでなく食事のタイミングも骨格筋の代謝機 能に大きく影響を与えることが分かってきた。げっ歯類やヒトを対象とした研究により、時 間制限給餌はカロリー制限とは独立して骨格筋の質や量の改善することが明らかになりつ つある。以上の知見より、食事のタイミングは骨格筋の代謝機能の調節において重要である と考えられる。