日本歯周病学会会誌
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原著
タデ藍水抽出エキスの歯肉の炎症に対する効果
畑中 加珠福家 教子妹尾 京子冨山 高史岩城 完三國方 敏夫政木 直也福田 恵温前田 博史新井 英雄高柴 正悟
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2008 年 50 巻 3 号 p. 167-175

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抄録

タデ藍は染料用植物としてよく知られている一方で, そのエキスが抗炎症作用および歯周病原因菌に対する抗菌作用を有することも明らかにされている。本研究の目的は, このタデ藍水抽出エキスを用いて, 歯肉の炎症に対する効果を調べることとした。
本研究は, 病状安定期(SPT期)にある慢性歯周炎患者30名を対象とした二重盲検法にて実施した。被験者は, 10週間にわたって, 1日3回食後の口腔清掃後に, タデ藍エキス含有ジェル1 gを歯肉に塗布した。開始前, 5週目および10週目に, 被験歯4歯のプラーク指数(PlI), プロービングポケット深さ(PPD), およびプロービング時出血(BOP)を評価した。また, 同時期に歯肉溝滲出液(GCF)を採取し, その重量とTNF-α濃度を測定した。
被験者全体でみると, タデ藍水抽出エキス含有濃度に関わらず経時的にPlIおよびBOPが減少する傾向にあった。一方, 開始時の平均PlIが1.5以上の被験者に絞ってみると, 含有濃度依存的に経時的にBOPが減少する傾向にあり, また, GCFの重量は, 高濃度群で経時的に有意に減少し, かつ10週目において対照群および低濃度群と比較して有意に低値を示した。なお, いずれにおいてもPPDおよびGCF中のTNF-α濃度には変化が見られなかった。
以上の結果から, タデ藍水抽出エキスは自身での清掃が十分でない人への応用が有益であり, 歯肉の炎症を抑制する可能性が示唆された。
日本歯周病学会会誌(日歯周誌)50(3) : 167-175, 2008

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© 2008 特定非営利活動法人 日本歯周病学会
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