日本歯周病学会会誌
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原著
長期メインテナンス患者における歯の喪失に関する一考察
須田 聡須田 晃
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2009 年 51 巻 2 号 p. 169-174

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抄録

一般歯科医院において3ヶ月から12ヶ月間隔で15年以上32年の間メインテナンスを受けている患者291名の歯の喪失について後ろ向きの調査を行った。患者の平均年齢は39歳で女性が186名, 男性が105名であった。平均26年間のメインテナンス期間中, 1本も歯を失わなかった人は111名, 全体の38.2%であった。歯周基本治療終了後の総歯数は7536本, メインテナンス期間中の喪失歯の総数は626本 (8.3%)で一人当たりの平均喪失歯数は2.2本であった。喪失の原因は歯周疾患が157本 (2.1%), 歯周疾患以外が469本 (6.2%)であった。喪失歯数は大臼歯が一番多く, 一番少なかったのは下顎の犬歯だった。また, 歯の喪失は両側性にほぼ左右対称に進行していくことが示された。今回の我々の調査により, 長期のメインテナンスが歯の喪失を抑制するために効果的である可能性が示唆された。
日本歯周病学会会誌 (日歯周誌)51 (2) : 169-174, 2009

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