日本歯周病学会会誌
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原著
実験的早期接触が唾液中ストレスマーカーに与える影響
秋本 泰介中島 啓介松本 知久村岡 宏祐横田 誠
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2011 年 53 巻 2 号 p. 113-124

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抄録

我々は, 歯周炎により歯の移動と挺出が引き起こされること, 歯周基本治療後に患者の不安傾向が減少することを明らかにした。これらから「歯周炎による歯の移動と挺出がまず始めに引き起こされ, その後, 早期接触が生じる」という仮説を立てた。本研究の目的は, 早期接触が唾液中ストレスマーカーに与える影響を評価することであった。本研究の被験者は19歳から28歳までの健常者22名(男性15名, 女性7名)であった。実験的に早期接触を付与するために1mm厚のポリエステルレジン製プレート装置を作製し, 被験者の下顎右側第一大臼歯に装着させた。また, 不安傾向を評価するために, 全ての被験者にState-TraitAnxietyInventory(STAI)を記入させた。実験的早期接触が咬合力, 咬合接触面積に与える影響は, Dental Prescale®システムにより評価した。早期接触付与前後のパラフィン咀嚼時の全唾液を採取し, 唾液中のクロモグラニンA濃度, コルチゾール濃度, アミラーゼ活性を測定した。咬合力及び咬合接触面積については早期接触付与前後で有意差を認めた。しかし, 唾液中コルチゾール, クロモグラニンA濃度については有意差を認めなかった。唾液アミラーゼ活性は, 早期接触付与後で有意に増加していた。これらの結果から, 実験的な早期接触によりストレス反応が引き起こされる可能性が示唆された。
日本歯周病学会会誌(日歯周誌)53(2) : 113-124, 2011.

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