日本歯周病学会会誌
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原著
ラット実験的歯周炎におけるオステオプロテジェリンの局所投与による歯槽骨吸収抑制効果
美原(和田) 智恵徳永 格瀬戸 浩行坂本 英次郎廣島 佑香木戸 淳一永田 俊彦
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2012 年 54 巻 2 号 p. 167-174

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抄録

オステオプロテジェリン(OPG)は,骨芽細胞に発現する NF-кВ受容体リガンド(receptor activator of NF-кВ ligand:RANKL)のおとり受容体であり,破骨細胞の分化誘導や活性化を抑制する作用がある。すでに骨粗鬆症や癌性骨転移やリウマチ様関節炎などに対する臨床試験で OPG の効果が得られている。歯周病に関しては,ラット実験的歯周炎に対して OPG の全身投与が有効であり歯槽骨吸収が減少することが報告されている。本研究では,ラット実験的歯周炎における OPG の局所投与効果を調べた。上顎第 2 臼歯をナイロン糸で結紮した後,5 日目および 14 日目の当該組織の変化をマイクロ CT および酒石酸抵抗性酸性フォスファターゼ(TRAP)染色の組織観察によって調べた。OPG は結紮後 1 日おきに局所注射した。マイクロ CT 画像でセメントエナメル境から歯槽骨頂までの距離を計測すると,結紮 5 日目および 14 日目とも結紮による明らかな歯槽骨吸収が認められ,結紮し OPG を投与した群(OPG 投与群)での歯槽骨吸収量は結紮対照群よりも有意に少なかった。また,結紮 5 日目において,歯槽骨頂部位での TRAP 陽性細胞数は,OPG 投与群では結紮対照群の1/3 であり,破骨細胞数は有意に少なかった。これらの結果から OPG の局所投与により歯槽骨吸収が抑制されることが示され,将来の歯槽骨吸収予防薬として OPG が有用である可能性が示唆された。日本歯周病学会会誌(日歯周誌)54(2):167-174, 2012

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© 2012 特定非営利活動法人 日本歯周病学会
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