2016 年 58 巻 1 号 p. 25-32
本研究は,毛先が歯間部に届きやすくするために,長さの異なる毛束を植毛したブラシヘッド(インターケアブラシ)と,毛束の密度を高くしたブラシヘッド(ダイヤモンドクリーン)を使用した音波式電動歯ブラシのプラーク除去率を比較検討した。被験者は,補綴物がなく,歯肉退縮や小帯の付着異常を認めない歯科医19名とした。実験2日前に全顎的にスケーリングを実施し,プラークフリーとした。その後2日間ブラッシングを停止させ,PCR100%として実験を行った。インタケーケアスタンダードブラシ(IS群),インターケアミニブラシ(IM群),ダイヤモンドクリーンスタンダードブラシ(DS群),ダイヤモンドクリーンミニブラシ(DM群)の4群を設定し,刷掃時間は2分間とした。プラーク除去率はO'LearyのPCRの改良法6点計測を用いて評価した。4群間において全顎,部位別に比較した結果,統計学的に有意なプラーク除去率の差は認めなかったが,平均値,中央値においてIS群,IM群はDS群,DM群と比較して高い傾向にあった。