2016 年 58 巻 3 号 p. 137-147
広汎型重度慢性歯周炎患者に歯周基本治療,歯周外科治療,口腔機能回復治療およびサポーティブぺリオドンタルセラピー(SPT)を含む包括的歯周治療を行い,19年間にわたり良好に顎口腔機能を維持した症例について報告する。本症例から顎口腔機能を長期的に維持・安定させるためには動的歯周治療後,SPTに入ってからも注意深く口腔の変化を観察し炎症と力のコントロールのしっかりとした対応が必要であること,さらにSPT中に問題が生じた場合は必要に応じて積極的に治療介入していくことが重要であることが示された。