日本歯周病学会会誌
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レプリカ法による露出歯根表面の観察
山倉 久史鈴木 基之益子 丈山崎 勝次郎宮下 元長谷川 紘司
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1983 年 25 巻 4 号 p. 948-954

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抄録

5mm前後の歯周ポケットを有する歯周疾患罹患歯について, in situ での歯根表面を観察する目的で, ルートプレーニング前後の歯根表面に対して, レプリカ法を用いてその形態観察を試みた。
その結果, ポケット内を可及的に乾燥させ, 印象材を注入し1次レプリカとし, これにエポキシ樹脂を注入して2次レプリカを作製し, 白金蒸着を施すことによって, 走査型電子顕微鏡で観察可能であることが分かった。
しかし, ポケット底部付近などをはじめ, 試みた全症例で詳細な観察が可能な標本を確実に得られたわけではない。
しかし, 抜去歯にて観察したものとほぼ同様の所見が, 本法によるレプリカ法によって観察可能であることがわかり, 露出歯根表面の経時的観察に有用な手段となり得ることが判明した。

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