1995 年 37 巻 1 号 p. 39-54
日本人の成人性歯周炎患者の歯周ポケットより, TSBV培地にて分離培養した41菌株の血清型“a”のA. sctinomycetemitansについて, 生化学的および分子生物学的な分析を加えた。その内容は, 既知の血清型a, bおよびcの菌株との各種生化学的代謝, 各種の酵素活性, 菌体タンパクのSDS-PAGEによる泳動像の比較および, 菌体より抽出した全DNAの相同性の比較と各菌株G/C mol%の解析である。その結果, 日本人の成人性歯周炎患者に感染していた血清型“a”のA. actinomycetemconcmitansについて遺伝的に相同性が高い株が多数を占めていた。これはA. aotinomyoetemcomtansのいわゆる“clonalinfection”を示すものであると考えられる。