パーソナリティ研究
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自我体験とパーソナリティ特性・孤独感との関連
──「私はなぜ私なのか」と問う取り組み方による違い
天谷 祐子
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2009 年 18 巻 1 号 p. 46-56

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抄録

本研究は,「私はなぜ私なのか」という問い―自我体験―を経る人と経ない人の間,また自我体験を経て,それを深刻に捉えるか否かの間でパーソナリティ特性が異なるという仮説の検証を第1の目的とした(研究1)。そして自身が自我体験を経た意味を積極的に見出すか否かにより,孤独感と心理的well-beingに対する関連が異なるという仮説の検証を第2の目的とした(研究2)。その結果研究1からは,自我体験を経てそれを深刻に捉えている人が未体験者よりも神経症傾向が高いことが示された。また未体験者の方が自我体験を経て深刻に捉えていない人よりも誠実性が高かった。研究2からは,自身の自我体験に積極的な意味を見出している人は未体験者よりも「人は本来1人である」と考える傾向が強いことが示された。これにより,自我体験を経る人と経ない人のパーソナリティ特性,また自我体験の孤独感への関連が明らかにされた。

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© 2009 日本パーソナリティ心理学会
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