パーソナリティ研究
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原著
中年期の結婚コミットメントがジェネラティビティと主観的幸福感に及ぼす影響――ジェンダー差を中心に
伊藤 裕子相良 順子
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2017 年 26 巻 2 号 p. 121-128

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抄録

本研究は,中年期夫婦を対象に,結婚生活のあり方がジェネラティビティと主観的幸福感にどう影響するかを男女で比較することを目的とした。対象者は40~64歳の配偶者のいる中年期男女で(男性362名,女性480名),結婚コミットメント,ジェネラティビティ,主観的幸福感が尋ねられた。愛情と関連の高い人格的コミットメントは男性ではジェネラティビティを高めるが,女性は関連がみられず,むしろ主観的幸福感を高めていた。諦め・機能的コミットメントはジェネラティビティを低減させ,かつ主観的幸福感も低下させていた。規範的コミットメントはジェンダー差なくジェネラティビティを高めていたが,主観的幸福感には全く影響しなかった。男性は結婚生活の安定がジェネラティビティに結びつくが,女性では配偶者との関係の良否はジェネラティビティではなく主観的幸福感と結びついていた。結婚生活のあり方がジェンダーの視点から論じられた。

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© 2017 日本パーソナリティ心理学会
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