パーソナリティ研究
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原著
大学生における動機づけ調整方略が動機づけ傾向としての興味に及ぼす影響――動機づけの低下状況に着目して
湯 立外山 美樹
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2020 年 28 巻 3 号 p. 208-220

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抄録

本研究の目的は,2つの動機づけの低下状況(退屈な場面と困難な場面)を比較しながら,動機づけ調整方略が動機づけ傾向としての興味(感情的価値による興味,認知的価値による興味,興味対象関連の知識)に及ぼす影響について検討することであった。具体的には,退屈な場面における課題価値を調整する方略,困難な場面における自己効力感を調整する方略は動機づけ傾向としての興味を促進するという仮説を立て,大学生572名を対象とした短期縦断調査を行った。多母集団同時分析の結果,退屈な場面における興味高揚方略,自己報酬方略,困難な場面における自己効力感高揚方略は後続の感情的価値による興味を予測した。これらの結果は,仮説を部分的に支持した。最後に,本研究の限界点について考察した。

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© 2020 日本パーソナリティ心理学会
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