パーソナリティ研究
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原著
青年期において自立と依存のバランスが援助要請に及ぼす影響
池田 亜紗磯崎 三喜年
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2021 年 30 巻 1 号 p. 23-32

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抄録

本研究では,大学生を対象に,対人関係プロフィールテストの日本語版を作成し,過度に依存に偏る過剰依存,過度に自立にこだわる分離,自立と依存のバランスがとれたヘルシー・ディペンデンシー(healthy dependency,以下HDとする)の3つの下位尺度と,援助要請行動および援助要請スタイルとの関連を検討した。HDは援助要請行動と正の,分離は援助要請行動と負の関連を示した。過剰依存は援助要請過剰型と正の関連,分離は援助要請過剰型と負の,援助要請回避型および援助要請自立型と正の関連,HDは援助要請過剰型および援助要請自立型と正の,援助要請回避型と負の関連を示した。また,HDは援助要請行動を媒介して適応感を高めるという仮説モデルの検討も行ったが,媒介効果は示されず,HDから適応感への直接効果のみ示された。HD独自の効果が適応感を予測することが示唆された。

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© 2021 日本パーソナリティ心理学会
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