論文ID: 28.2.3
本研究の目的はDark Triad (マキャベリアニズム,自己愛傾向,サイコパシー傾向)と他者操作方略(寺島・小玉,2004)との関連を検討することであった。大学生210名がDark Triad尺度と他者操作方略尺度を含む質問紙に回答を行った。共分散構造分析の結果,マキャベリアニズムとサイコパシー傾向は自己優越的行動操作に加えて,自己卑下的行動操作や各感情操作に対して正の影響を示した。また,自己愛傾向は自己優越的感情操作のみに正の影響が示された。本研究の結果はDark Triad尺度の妥当性を示すとともに,Dark Triadが高い者は自己優越的行動操作だけでなく,自己卑下的行動操作や感情操作を用いる傾向にあることを示すものであった。