2018 年 66 巻 2 号 p. 148-151
小学校理科の学習が日常的な文脈と結びつきにくいという問題意識から,教員養成コースの学部学生による模擬授業に「文脈」を取り入れることをデザイン原則に含む授業づくりに取り組んだ。本稿では特に小学校第3学年「ものの形と重さ」単元の授業に注目した。導入で「パンをつぶすと重さが変わるのか?」という疑問から始まる模擬授業が実施され,児童役の学生からの評価などを総合して,効果的に文脈が設定されたことが確認された。このように,基本的な物理概念の形成を目指す授業に,日常生活と関係の深い文脈を埋め込む授業づくりを提案する。