物理教育
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小中の物理教育
小・中,小・高の一貫性に配慮した小学校理科の力学教材の開発
澤柿 教淳
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2018 年 66 巻 4 号 p. 264-269

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抄録

 本論文では,小学校,中学校,高等学校の一貫性に配慮した小学校理科の力学の教材を開発するとともに,それらを用いた実践事例から児童の考えの変容過程を整理した。結果,第3学年「風の力の働き」と第6学年「てこの規則性」において主に力のモーメントの考え方の素地を育む教材を活用すること,及び,小学校第5学年「振り子の運動」の特に「おもりの重さと振り子が振れる周期」を考える場面で高校物理基礎「自由落下と慣性」に触れながら思考できる教材を活用することで小・中,及び,小・高の学びの様相が一貫するという点で有効であることが示唆された。今後は,実際の授業において教材がどのように働いているのかより詳細な分析を進めたい。

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© 2018 日本物理教育学会
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