2019 年 67 巻 4 号 p. 221-226
距離による被ばく防護は,線量が線源からの距離の二乗に反比例する逆二乗の法則に基づいている。しかし,簡易型放射線測定装置と標準・線源を用いた学生実験では,この逆二乗の法則に従わない結果が得られてきた。本研究では新しい実験システムを作製し,放射線強度と距離の関係を調べる実験を行った。そして,モンテカルロシミュレーションコードPHITSを用いて,本実験と真空中に線源と検出器だけを置いた場合の体系をモデル化してシミュレーションを行い,エネルギースペクトルを比較することで散乱γ線の影響を評価した。