2020 年 68 巻 2 号 p. 79-86
2013 年の調査では日本の高校生の理科の有用感は米中韓と比較し低いが,一方で天文や宇宙開発への関心は高い。そこで,これらと関連し,理科の有用感も増す可能性のある教材として人工衛星電波受信実験に着目した。 受信実験の中では万有引力による運動やドップラー効果など高校物理で学ぶ多くの内容がわかりやすい形で現れ,物理や数学と科学技術との繋がりを実感できる。我々は科学教室と高校授業で実践を行い,理科の有用感と物理内容の理解の向上に対する効果を検証した。結果,多様な学生を対象とする高校授業の実践において効果が確認できた。