1991 年 6 巻 1 号 p. 10-14
1) ヤンバルトサカヤスデChamberlinius hualienensis Wangは,1983年11月に沖縄県の北中城村で大発生し,国内で初めての記録となり,その後の6年間に,沖縄本島33市町村のうち,22市町村73地域に分布を拡大した.
2) 群遊は年に2回観察される. 4~6月にかけての放散群遊と10~12月にかけての生殖群遊に分けられ,後者は全体の85%を占めた.なお,大発生時には10―100万単位の群遊が推定された.
3) 防除は,殺虫剤の使用で局地的には有効であるが,発生面積が膨大であり,徹底した発生要因の制御が困難なために,分布の拡大を阻止することができなかった.