ペストロジー学会誌
Online ISSN : 2432-1532
Print ISSN : 0916-7382
原著
沖縄県におけるヤンバルトサカヤスデ Chamberlinus hualienensis Wangの大発生,分布拡大,防除の現況
比嘉 ヨシ子岸本 高男
著者情報
ジャーナル フリー

1991 年 6 巻 1 号 p. 10-14

詳細
抄録

1) ヤンバルトサカヤスデChamberlinius hualienensis Wangは,1983年11月に沖縄県の北中城村で大発生し,国内で初めての記録となり,その後の6年間に,沖縄本島33市町村のうち,22市町村73地域に分布を拡大した.

2) 群遊は年に2回観察される. 4~6月にかけての放散群遊と10~12月にかけての生殖群遊に分けられ,後者は全体の85%を占めた.なお,大発生時には10―100万単位の群遊が推定された.

3) 防除は,殺虫剤の使用で局地的には有効であるが,発生面積が膨大であり,徹底した発生要因の制御が困難なために,分布の拡大を阻止することができなかった.

著者関連情報
© 1991 日本ペストロジー学会
前の記事 次の記事
feedback
Top