下肢の浮腫は,静脈,リンパ管疾患においてしばしば出現する徴候であるが,健常者においてもしばしばみられる.その予防に弾性ストッキングが用いられているが,その有用性の研究には種々の脈波法(空気脈波,ストレインゲージ脈波,水脈波)や光学的容積測定法,三次元形状計測法,MRIなどによる下肢の周径や容積測定が応用されている.しかし,浮腫は,病態,病期,年齢,性,BMI,職業などにより,また下肢の各部位―下腿,足関節部,足部―によっても程度が異なってくる.弾性ストッキングの浮腫予防効果への評価には,測定方法の長所と短所を考慮し,目的に応じて使い分けることが大切である.