重症静脈うっ滞性下肢病変のうち深部静脈弁逆流が主因となる病変に対して深部静脈弁形成術があるが,いまだ一般的な手術法とはなり得ていない.この術式は大きく分けて2種類がある.Internal法は深部静脈を切開して弁を直視下に形成する方法であり,external法は静脈を開けずに外から弁逆流をコントロールする方法である.われわれも硬性内視鏡を用いて現在まで40例に弁形成術を施行した.4年のフォローアップ期間中深部静脈血栓症を起こした患者はなく,94%の症例でCEAP分類の改善をみている.いずれの方法も長所,短所があり,また,さまざまなmodificationがなされている.重要なのはそれぞれの施設,外科医が自信をもって施行できる方法をみつけ,遠隔予後も含めたきっちりとした成績を出し,またその結果をもとに技術の改善にフィードバックさせることであろう.