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静脈学
Vol. 23 (2012) No. 4 p. 315-320

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http://doi.org/10.7134/phlebol.23.315

原著

●要  約:2004年の新潟県中越地震(中越地震)では10万人以上が車中泊避難を行ったことから被災地では深部静脈血栓症(deep vein thrombosis; DVT)が遷延し慢性化していることが判明している.中越地震6年後のDVT検診を小千谷市と十日町市で行い867人(平均年齢65.9±11.2歳)が受診した(292人が初めて検診を受診).その結果,下腿DVTを85人に認め,17人(5.8%)が初めて検診を受けた人であり中越地震6年後のDVT頻度は5.8%と推定された.また高血圧,高脂血症,糖尿病のうち高血圧のみDVTが有意に関連していた(p<0.001).また震災後発症の脳梗塞または一過性脳虚血発作(TIA)は下腿静脈のDVT有りでは7人(8.2%),DVT無しでは28人(3.6%)であり,年齢と性別を層別化したMantel-Haenszel検定においてDVT保有者でオッズ比2.73(95%CI; 1.11–6.68)で有意に脳梗塞が多かった(p<0.01).以上より震災後のDVTは遷延しやすく高血圧と関連することが 示唆された.また震災後のDVTは慢性期の脳梗塞・TIAと関連することも示唆された.

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