静脈学
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原著
大伏在静脈ループ型転位内シャントの臨床検討
浦山 博谷内 毅
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ジャーナル オープンアクセス

2013 年 24 巻 1 号 p. 45-48

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抄録

●要  約:上肢での透析用内シャント再建が困難となった患者14人に大伏在静脈ループ型転位内シャントを作成した.症例は男性7例,女性7例であり,平均64.1歳であった.全例で術後に透析での使用が可能であった.慢性期に鼠径部リンパ嚢腫の感染を1例に,穿刺部出血を1例に認めた.7例でシャント狭窄をきたし,各々1~16回のPTA(経皮経管的血管拡張術)を施行した.一次開存率は1年で32.7%,2年で0%,二次開存率は1年で70.1%,2年で46.8%であった.比較的太い血管を用いた吻合ができるため術後早期からシャントの使用が可能となるなどの利点もあり,人工血管使用による感染の危険などがある症例では施行しても良い術式と思われた.

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