●要 約:【はじめに】静脈うっ滞性潰瘍の難治例に対し局所陰圧閉鎖療法を施行した.【対象と方法】平成22年4月から平成23年11月の間に静脈うっ滞性潰瘍6例に対し局所陰圧閉鎖療法を施行した.潰瘍を外科的デブリドマンし,局所陰圧閉鎖療法を3週間施行し,潰瘍に良質な肉芽を誘導した.その後植皮術により閉鎖した.【結果】潰瘍は全例で治癒した.いずれも現時点で再発を認めていない.【考察】静脈うっ滞性潰瘍は慢性静脈不全に対する治療と圧迫療法で大部分の症例が治癒するが,一定の割合で難治例が存在する.局所陰圧閉鎖療法は創収縮の促進,過剰な滲出液の除去と浮腫の軽減, 創傷血流の増加,細菌量の軽減等の効果により,創傷治癒を促進する効果がある.静脈うっ滞性潰瘍の難治例に対する補助療法として有効である.【結語】局所陰圧閉鎖療法は静脈うっ滞性潰瘍の難治例に対する有効な治療の選択肢の一つである.