静脈学
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原著
980 nm 半導体レーザーを用いた下肢静脈瘤治療の有用性と問題点
小長井 直樹
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2013 年 24 巻 4 号 p. 396-402

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抄録

要約:下肢静脈瘤の外科治療として,血管内レーザー焼灼術(EVLA)がストリッピング手術に代わる標準的術式として普及している.しかし大腿部の皮下出血や疼痛など術後早期の合併症が散見されるため,照射エネルギー密度(LEED)による治療効果および合併症の出現頻度について検討した.2009 年12 月から2011 年10 月までにEVLA を行った下肢静脈瘤155 例180 肢を対象とし,LEED 65 J/cm 未満の89 肢をA 群,65 J/cm 以上の91 肢をB 群とした. レーザー出力はA 群11.3 W,B 群10.0 W,LEED はA 群58.1 J/cm,B 群72.5 J/cm であった.静脈収縮率は両群に有意差はなく,静脈閉塞率はA群98.9%,B 群100%であった.術後1 週目の皮下出血はA 群 64.2%とB 群26.3%,疼痛はA 群 51.6%とB 群27.4%に認められ,ともにA 群での発生頻度が有意に高かった.EVLA ではレーザー光がヘモグロビンや水に吸収されて熱エネルギーに変換するが,適切なLEED の調整とsaphenous compartment への正確なTLA 液の注入により,静脈壁障害による血管閉塞を得ることが重要である.

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