2014 年 25 巻 4 号 p. 373-380
要約:【背景】本邦における血管内レーザー焼灼術(EVLA)の薬事承認を受け,当施設でも積極的にEVLA を導入してきた.そこで今回はEVLA 導入後約1 年の早期治療成績を後ろ向きに検討し,治療効果の妥当性や導入初期の問題点などを考察した.【対象と結果】2004 年4 月から2013 年5 月に施行したEVLA(71 肢)およびGSV 抜去術(104 肢)を対象とした.術後早期にはGSV 抜去群にSFJ 周囲の術後再出血(3.2%),EVLA 群にI~II度のE-HIT(5.6%)を認めた.術後再発例は認めなかったが,GSV 抜去群に創部感染や下腿神経障害を多く認めた.【考察】EVLA による治療効果は従来の外科手術と比較して十分に満足できる結果であった.しかし安全かつ安定した結果を得るためにも安易な適応基準で施行せず,術前の十分かつ適切な検討による術式決定が重要であると考える.