静脈学
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症例報告
軟部組織内に多発異所性骨化を伴った静脈性潰瘍の1 例
菰田 拓之
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2015 年 26 巻 3 号 p. 244-250

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抄録

要約:下肢静脈性潰瘍の治療原則は徹底した皮膚軟部組織高静脈圧の改善であるが,それでは潰瘍が治癒せず皮膚軟部組織再建を要する症例も存在する.症例は68 歳男性,5 年前より再発を繰り返す右内果部静脈性潰瘍の診断にて紹介となった.30 年前に両側下肢静脈瘤に対して大伏在静脈,小伏在静脈抜去術が施行されていた.圧迫療法と外用薬にて肉芽形成は認めたが,肉芽内に新たな点状壊死を認め,その下床には石灰化病変が存在していた.石灰化病変は潰瘍,うっ滞性皮膚病変を越えて存在しており,難治化の主因と思われた.石灰化病変を含んだ潰瘍とうっ滞性皮膚病変の広範囲摘出と皮膚軟部組織再建にて治癒を得た.病理組織診断は異所性骨化で,静脈うっ滞による慢性的な炎症による化生が原因と考えられた.骨の存在が局所の血流低下や二次感染の原因となり治癒遅延が起きたと考えられ,皮膚軟部組織再建が有効であったと思われた.

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