静脈学
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原著
急性肺血栓塞栓症の重症度別背景と治療成績
福田 和歌子谷口 哲福田 幾夫千代谷 真理青木 哉志近藤 慎浩服部 薫大徳 和之小渡 亮介皆川 正仁鈴木 保之
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2016 年 27 巻 2 号 p. 53-59

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抄録

肺血栓塞栓症179 例を重症度別に広範型,亜広範型,非広範型に分類し,治療成績を検討した.抗凝固療法を標準治療とし,重症例では出血リスクに応じて血栓溶解療法,肺塞栓除去術を使い分けた.循環維持困難症例には経皮的体外循環補助装置を導入し,中枢性DVT 合併例に下大静脈フィルターを留置した.非広範型肺血栓塞栓症115 例中95.7%に抗凝固療法を行い,47.0%に下大静脈フィルターを留置した.亜広範型肺塞栓29 例中48.3%に血栓溶解療法を,93.1%に下大静脈フィルターを留置した.血栓溶解療法ハイリスク例3 例に,肺塞栓除去術を行った.両群とも肺塞栓による死亡はなかった.広範型35 例中,心停止での発症4 例は急性期に死亡,他の31 例中3 例に経皮的体外循環補助装置(PCPS)導入,13 例に肺塞栓除去術,4 例に血栓溶解療法,13 例に単独抗凝固療法を行い,3 例(9.7%)を失った.亜広範型肺血栓塞栓症では出血リスクに応じた治療法選択,広範型肺血栓塞栓症では外科手術が有効であった.

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