静脈学
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原著
回収型下大静脈フィルター長期留置における合併症(穿通,破損)についての検討
谷掛 雅人
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ジャーナル オープンアクセス

2016 年 27 巻 3 号 p. 303-310

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抄録

当院で使用した2 種類の回収型フィルター, Günther Tulip(GT),OptEase(OE)につき,長期合併症(穿通,破損)についてretrospective に検討した.【対象と方法】永久留置例の方針となった症例のうちCT が撮影された75 症例(GT 21,OE 54).撮影データより3D 画像を作成,脚の穿通,破損の有無を視覚的に評価した.【結果】脚の穿通はGT 15 例(71.4%),穿通部位は大動脈3,右総腸骨動脈2,十二指腸3,大腰筋1,椎間板1,脂肪織5 例であった.破損はOE 8 例(14.8%)に,縦骨格1 カ所の離断が認められた.留置からの時間経過とともに破損率が上昇する傾向が認められた.OE の穿通例,GT の破損例は認められず,また全例で有害事象は認められなかった.【結論】これらの回収型フィルターの合併症頻度は高率であり,永久留置としての使用は合併症の発生を念頭に,慎重に決定する必要がある.

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