静脈学
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原著
下肢静脈瘤手術後の圧迫療法継続の要否について—Venous Filling Index(VFI)の体型別検討をもとに—
藤澤 康聡
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2018 年 29 巻 1 号 p. 45-48

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抄録

【背景】下肢静脈瘤術後には通常,弾性ストッキング等による圧迫療法が一定期間行われる.そこで今回,術後VFI(venous filling index)を体型別に検討し,圧迫療法継続の必要性を考察した.【対象と結果】2013年11月~2016年3月にストリッピング手術を行った一次性下肢静脈瘤871例1188肢を対象とした.術後一カ月のVFI(mL/sec.)は,BMI<18.5群:0.86±0.55, 18.5<BMI<25群:1.21±0.62, 25<BMI群:1.68±0.76で各群間に有意差がみられた.平均+2SDを超える症例が54肢あり,その内24肢(44.4%)に静脈逆流が存在した(深部静脈逆流6肢,不全穿通枝6肢,残存表在静脈の逆流12肢).【結語】術後VFIが体型別の平均値を大きく上回る場合,静脈不全残存による鬱血の遷延が懸念されるため,長期間の術後圧迫療法継続を検討するのが望ましい.

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