2019 年 30 巻 1 号 p. 23-26
本邦の内視鏡下穿通枝切離術(SEPS)は非駆血下でCO2を送気してtwo portで行う方法が普及したが術野不良な症例がある.一方,駆血下ではエスマルヒの使用で下腿筋群などの血液や間質液が排除されより広い筋膜下スペースが得られ良好な術野が期待される.駆血がSEPS術野を改善するか否かを検討した.【対象と方法】2015年12月~2017年12月のうっ滞性皮膚病変18例18肢に,非駆血下SEPSの直後に駆血下SEPSを行い切離した穿通枝数を術野の指標とした.下腿上部内側から2本の6 mm金属ポートを挿入しCO2を送気して,処理可能な穿通肢を全て切離した.一度ポートを抜去しエスマルヒを使用してタニケットで大腿部を駆血して同様の方法で穿通肢を追加切離した.【結果】切離した穿通枝は,非駆血下2.1±1.5本,駆血下1.1±1.2本,合計3.2±0.9本で有意に増加した(p<0.005).【結語】駆血はSEPS術野の改善に有効である.