静脈学
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症例報告
手背に生じた静脈奇形を伴う静脈性血管瘤の1例
谷島 義章
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キーワード: 静脈性血管瘤, 静脈奇形
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2019 年 30 巻 1 号 p. 33-36

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抄録

症例は,66歳男性.2年前より手背の血管の腫脹を自覚し,徐々に拡張してきたため,当院外来を受診した.身体所見上,左手背に径30×15 mm程度,平滑・軟の静脈の拡張を認めた.血管超音波では,腫脹した血管の内部に血流を認め,単純CT(Computed Tomography)では,左中手骨間背側皮下に,周囲浸潤性のない平滑,明瞭,均一な腫瘤を認め,手背の静脈性血管瘤と診断した.手術は,静脈性血管瘤に連続する血管を結紮し切離したのち,血管瘤全体を遊離し完全に切除した.病理所見では,静脈奇形が中央の拡張した血管の外膜領域を取り囲んでいた.この病理所見から,弾性板の外側を中心に発生した静脈奇形が形態的に静脈周囲組織の脆弱化をもたらし,静脈性血管瘤が発生したものと考えられた.本症例を通して,血管腫脹の鑑別診断では,静脈性血管瘤には静脈奇形を伴う場合があることを考慮するべきであると考えられた.

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