2020 年 31 巻 3 号 p. 65-68
血管内レーザー焼灼術(endovenous laser ablation: 以下EVLA)を施行した大伏在静脈弁不全1513肢を対象に,術後神経障害の発生頻度と臨床経過について検討した.焼灼にはradial 2-ring fiberを接続した波長1470 nmのダイオードレーザーを用いた.神経障害は「術後1カ月の時点で,患肢に明らかな神経症状を有するもの」と定義した.神経損傷が47肢(3.1%)に発生した.焼灼距離40 cm未満の患者群での発生頻度は1.3%,焼灼距離40 cm以上の患者群では5.2%と4倍の頻度で神経障害が生じていた.EVLA後1年を経過した患者25名へ電話インタビューを行ったところ92%の症例において症状の消失もしくは軽快が認められた.