静脈学
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原著
悪性腫瘍患者に発症した静脈血栓塞栓症の特徴と予後因子の検討
露木 肇山本 尚人海野 直樹犬塚 和徳佐野 真規片橋 一人矢田 達朗嘉山 貴文山中 裕太遠藤 佑介竹内 裕也
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2020 年 31 巻 3 号 p. 153-159

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抄録

【はじめに】悪性腫瘍患者の予後改善に伴い静脈血栓塞栓症(VTE)を発症する患者も増加してきており,悪性腫瘍患者に発症したVTE患者の予後や特徴を検討した.【対象と方法】2005年4月から2018年3月に経験したVTE 725人中活動性悪性腫瘍を合併していた患者(CAT)322人を,悪性腫瘍非合併患者(nonCAT)403人と比較した.【結果】性別はCAT 女性156人・男性166人,nonCAT 女性132人・男性271人であった.深部静脈血栓症(DVT)部位は中枢型,末梢型の頻度において差を認めなかったが,左・右・両側で分けるとCATでは両側症例が多い傾向があった.CATでは有意に無症状DVT/PTEが多かった.CAT群でVTE診断後の全生存を比較すると,D-dimer高値(6 µg/mL以上)はCAT発症時の転移・再発の存在と同様有意な予後不良の予測因子であった.【考察】CAT患者ではさまざまなVTEの要因が予後予測因子となっており,悪性腫瘍診療においてCATは重要である.

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