当科では下肢静脈瘤本幹病変の加療後,周辺病変に対しては硬化療法単独で加療して,低侵襲化を図ってきたので報告する.対象は2018年4月から2020年12月までの下肢静脈瘤患者239例とした.治療は本幹病変には血管内治療,周辺病変には静脈結紮術を施行しないでフォーム硬化療法のみを行った.患者内訳は血管内焼灼術229例,血管内塞栓術10例で,性別は女性140人,男性99人で,平均年齢は66.2±0.7(27–86)歳であった.術後神経障害,血栓症などの合併症はなかった.硬化療法の回数としては1回のみ174例,2回以上は35例,未施行は30例であった.下腿残存本幹逆流例は150例(67.0%)に認め,すべて硬化療法を行った.術後観察期間は13.2±0.6(0–32)カ月で,再発例は1例であった.当科では周辺病変に対して,硬化療法単独治療により,低侵襲化を図り,合併症のない治療経過を得られた.