2022 年 33 巻 3 号 p. 251-256
非定型的な難治性下肢静脈瘤病変に対し,2018年から薬機法で認可されたレーザースリムファイバーを用いた短い距離の焼灼を行い,効を奏した症例の経験を報告する.伏在静脈治療後の深部静脈接合部スタンプ由来の再発性静脈瘤症例,深部静脈接合部付近の伏在静脈側枝囊状瘤症例,難治性下腿潰瘍を伴う不全穿通枝で内視鏡下筋膜下不全穿通枝切離術が筋膜下の癒着で不能であった血栓後症候群症例である.レーザースリムファイバーを用いた治療は非定型的な難治性下肢静脈瘤病変に対する治療の突破口となることが期待される.