2015 年 78 巻 4 号 p. 251-261
電荷輸送特性,特に電荷移動度測定法は数多く存在するが,従来の無機・酸化物半導体材料に比べ,有機分子をその礎とするために,圧倒的な多様性を示す有機半導体材料については,材料開発速度に対して電子特性評価速度が全く追いつかない局面を呈している.電磁波,特にマイクロ波を用いた伝導特性評価法は,全実験的測定手法でありながら,圧倒的な評価速度を有している.ここではその原理と特色に加え,非接触・非破壊であることの利点を最大限に生かして,従来から直接計測が困難であった界面伝導や高圧下伝導特性などに切り込む可能性について紹介する.