日本写真学会誌
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特集:見えてきた原子核乾板活用の世界
宇宙線を用いた福島第一原子力発電所の非破壊イメージング
森島 邦博
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2016 年 79 巻 1 号 p. 42-47

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抄録

我々は,2011年3月11日に起きた東日本大震災による福島第一原子力発電所事故により炉心溶融が疑われた1号機から3号機の原子炉内部の状況を遠隔非破壊に調査するための手法として,原子核乾板を用いた宇宙線ミューオンラジオグラフィの提案を行って来た.2011年には,日本原子力研究開発機構(JAEA)の高速炉 「常陽」 の観測を実施し,炉心の非破壊イメージングの実証を行った.また,2014年3月から7月,及び2015年1月から3月の期間において,福島第一原子力発電所2号機,及び5号機の観測を実施した.本解説では,原子核乾板を用いた福島第一原子力発電所の原子炉内部の非破壊イメージングへ向けた宇宙線ミューオンラジオグラフィの技術開発とその最新の成果について解説する.

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© 2016 社団法人 日本写真学会
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