順天堂医学
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第10回都民公開講座「中高年を健康に生きる」
運動による健康づくり
--気軽に歩いて,今日も元気--
武井 正子
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48 巻 (2002-2003) 3 号 p. 330-334

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抄録

わが国の10年後の高齢化率は25%, 20年後には, 高齢者のうち, 後期高齢者が60%を占める. 中高年期を健康に生きることは, 高齢期の心身共に自立した生活, 〈健康寿命を伸ばす〉ことを確実なものにするであろう. しかし近年, 高脂血・高血糖・高血圧・肥満など生活習慣病のリスクファクターとして, 身体活動量の低下・運動不足が問題になっている. 地球上で二足歩行をする人間は, 成長の最初の段階で約1年間《抗重力筋》のトレーニングを必要とする. 生活の利便化が進むなかで, 重力に抵抗し, 運動することの必要性を再確認する必要があろう. 加齢に伴って体力は低下するが, 加齢よりも運動不足の影響が大きい. 特に日常的に使っていない体力の低下は著しい. また, 体力の低下は, 高齢になるほど個人差が大きい. 特にバランス能力をみる閉眼片足立ちでは, 70歳で20%, 80歳代では6-8%に低下する. バランス能力の低下は, 転倒による骨折の可能性を示唆するものである. 後期高齢者においても, 適度な運動を定期的に実施することによって, 体力の維持・向上, 特に重心位置の安定など転倒予防の体力が改善し, 自立度が向上した. 筆者らの研究では, 週3回の頻度が後期高齢期の体力の維持に必要であった. つまり, どの年齢においても, 体力の維持・向上に日常的に適度の運動をすることが必要である. 国民栄養調査によると, 一人1日当りのエネルギー摂取量はほぼ適正であるのに, 男性では, 30歳代からの肥満が増え, 生活習慣病の罹患率が高まっている. 健康づくりの運動としては, 有酸素運動が効果的であり, その中でもウォーキングは, 日常的に誰でも取り組める健康づくりの運動である. 最後に健康づくりに効果的な歩き方の5つのポイントを紹介した.

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© 2002 順天堂医学会
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