順天堂医学
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原著
多嚢胞性異形成腎の治療法についての検討
--保存的・外科的治療の選択について--
佐竹 正栄細田 弥太郎大友 義之金子 一成山高 篤行
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2002 年 48 巻 3 号 p. 348-354

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抄録

目的: 多嚢胞性異形成腎 (以下MCDKと記す) の治療法の選択に関しては, 保存的に経過観察すべきか, 外科的に腎摘出が施行すべきかが議論の対象となっている. 今回の目的は保存的経過観察と外科的治療を, さらに外科的には術式別に, 側腹部切開腎摘出術と腹腔鏡下腎摘出術に分類し, 当科で経験したMCDK症例を元にそれぞれの群別に長所・短所を比較検討し, どちらにより多くのメリットが存在するかを明確にすることである. 対象・方法: 1990年-2001年までに当科で経験したMCDK症例27例を, 保存的治療例 (Co群) ・側腹部切開腎摘出術施行例 (Op群) ・腹腔鏡下腎摘出術施行例 (La群) に分類し, 各症例について臨床経過・医療費をretrospectiveに調査した. 結果: 全27症例のうち, Co群が11例, OP群が6例, La群が10例であった. Co群の約半数にMCDKの自然消失が認められたが, 残りの半数は縮小もしくは不変にとどまっている. Co群ではさらに, 高血圧や悪性化の発生が否定されないため, 外来での経過観察がより必要とされる. 当科でのプロトコールによると, Co群は, 5年以上経過観察をした場合, 医療費の面で手術施行例にかかる費用を上回ることが明らかとなった. 結論: 早期の手術により, MCDKの合併症発生が無くなる. 現時点では, 入院期間がより短く, 創部がより小さいなどの理由により腹腔鏡下腎摘出術を施行することに多少のメリットがあると考えられた.

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© 2002 順天堂医学会
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