順天堂医学
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第18回都民公開講座《皮膚の健康―皮膚をいかに若々しく保つか―》
顔がシミだらけにならないようにするためのお話
水野 優起
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2006 年 52 巻 3 号 p. 437-442

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抄録

いわゆる“シミ”とは, 主にメラニン色素の増加によって起こる色素異常症 (色素沈着症) を指すことが多い. 発症機序の面から考えるとシミは, メラノサイトが後天性に外的・内的な影響を受けメラニン産生が増加する状態であると定義される. それはメラニン産生とメラニン消化のバランスの上に生じており, メラニンの表皮でのin (産生) とout (排出) のバランスが崩れた状態であると考えられる. 一方シミはその病態生理により, 大きく以下の3つに分類できる. (1) メラノサイトの異常が原因のシミ: 肝斑・雀卵斑, (2) ケラチノサイトの異常が原因のシミ: 日光黒子・脂漏性角化症, (3) 炎症後色素沈着: 色素沈着性接触皮膚炎・固定薬疹. これら (1) - (3) は, 発生までの過程に差はあるものの, 臨床的に色調や形態などに大きな差はない. つまり,“シミ”を主訴に来院された患者でも, 個々の症例により存在するシミの種類は様々で, 当然のことながらシミの種類により効果的な治療法が異なってくるので注意が必要である. シミの治療には簡便にできる外用薬や内服薬のほかに, 理学療法 (イオントフォレーシス・凍結療法) や光を用いた治療法 (レーザー・IPL; Intense Pulsed Light) などが存在する. 実際のシミ治療の際, これらの治療法は単独で, 時に複数の治療法をコンビネーションして行われるが, 前述のようにシミには様々な種類があるので, まず症例ごとに適切な診断がなされた上で, 効果的なシミ治療が行われるべきである.

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