主催: 一般社団法人 人工知能学会
会議名: 2022年度人工知能学会全国大会(第36回)
回次: 36
開催地: 京都国際会館+オンライン
開催日: 2022/06/14 - 2022/06/17
近年,教育現場ではオンラインラーニングシステムで収集された教育ビッグデータをいかに活用するかが課題となっている.人工知能分野では,これらの教育ビッグデータを用いて学習者の能力値の変化や課題の特性を分析するための機械学習手法が多く提案されてきた.さらに,学習者の課題への反応を予測することにより,学習者への適切な支援を行うアダプティブラーニングが注目されている.Tsutsumiら(2021)はアダプティブラーニングのために深層学習手法と項目反応理論を組み合わせ,パラメータの解釈性をもちながら高精度な反応予測を可能とするDeepIRTを開発した.しかし,DeepIRTでは学習者の潜在的な能力値を推定する際に最新の学習データのみを用いるために,過去の学習データを十分に反映できず,能力値変化を適切に捉えられていなかった可能性がある.本研究では,DeepIRTに新たなhyper-networkを組み合わせ,学習者の過去の学習データと最新の学習データの重要性を推定することで両者のバランスを最適化しながら能力値推定を行う.評価実験では,提案手法が最先端の機械学習手法を上回る反応予測精度を示した.