ごみ焼却発電施設における燃焼は多くの複雑な要因が関係しており、ある場所の異常の前兆は他の場所に現れることが多い。そこで、多数のセンサに対して、各センサ間の関係をファジィ集合の関係として表現するファジィ関係マップを前に提案した。しかし、ごみの燃焼は非常に複雑であり、同じ燃焼状態と判断されるデータの一部に少し異なる状態のデータが入っていたり、状態に複数のパターンが存在することもある。 そこで、ある状態のデータ集合で作成したファジィ関係マップに対して、そのデータ自身の評価値を計算し、評価値が低いデータを除外することによりデータを選別する方法を用いる。安定状態のデータ集合に対して、データの選別を繰り返し行なった。 数回目までは元のデータよりも評価値が高くなったが、さらに選別を続けると元よりも評価値が低くなった。はじめに評価値が高くなったのは、元のデータ集合に少し異なる状態のデータが混在していて、それが除去されたからであると考えられる。その後、評価値が低くなったのは、安定状態に複数のパターンが存在し、データ数が少ないパターンのデータが除外され、そのパターンが識別できなくなったからであると考えられる。