人工知能学会全国大会論文集
Online ISSN : 2758-7347
第38回 (2024)
セッションID: 3Xin2-01
会議情報

AIトレーダーが市場へ与える影響
GARCH型モデルのミクロ的基礎づけによる検討
*中川 慧平野 正徳南 賢太郎水田 孝信
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録

近年のAIの進展は、金融市場におけるAIトレーダーの存在感を増幅させ、その市場への影響が注視されている。 本研究では、代表的な金融時系列モデルの一つであるGARCH(1,1)モデルを、人工市場研究の知見を基にミクロ的に基礎づけ、AIトレーダーが市場に与える影響をモデル化し、その動態を解析する。 GARCHモデルは、ボラティリティ・クラスタリングを再現できる条件付き分散をモデリングする一般的な手法であるが、そのミクロ的基礎は未だ十分には解明されていない。 本研究では、市場の投資家をノイズ・トレーダー、ファンダメンタル・トレーダー、AIトレーダーに区分し、それぞれの割合や意思決定がGARCH(1,1)モデルのパラメータにどのように影響を与えるのかを明らかにする。また、AIトレーダーの取引行動が市場のミクロ・プロセスとしてどのように機能し、それがマクロな市場のボラティリティや価格形成メカニズムにどのように影響を与えるのかを、理論的なモデルとシミュレーションを通じて解析する。

著者関連情報
© 2024 人工知能学会
前の記事 次の記事
feedback
Top