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PLANT MORPHOLOGY
Vol. 24 (2012) No. 1 p. 19-22

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http://doi.org/10.5685/plmorphol.24.19

特集I イメージングおよびその関連技術と植物学

植物細胞内の葉緑体は光環境に応じて配置が変わる.葉緑体光定位運動と呼ばれるこの運動はアクチン繊維に依存することが知られてきたが,その運動メカニズムは分かっていなかった.私たちは,微光束照射装置付きの蛍光イメージング装置を自作し,GFP-mTalinでラベルされた形質転換植物を用いて葉緑体運動中のアクチン繊維の動態を解析した.その結果,原形質流動に働く長いアクチン繊維とは別に葉緑体表面上で短いアクチン繊維の重合脱重合が起きていることを見出した.私たちは,葉緑体上のこの短いアクチン繊維を葉緑体アクチン繊維と名付けた.葉緑体アクチン繊維は,光刺激による葉緑体の一方向的な運動の際には葉緑体上の進行方向前端に偏在し,偏在が解消されると葉緑体の運動は停止した.また,葉緑体光定位運動に異常を生じるシロイヌナズナの変異体株(chup1)においては葉緑体アクチン繊維が観察されなかった.さらに,葉緑体アクチン繊維はヒメツリガネゴケの葉緑体光定位運動の際にも観られた.これらのことから,葉緑体光定位運動は葉緑体上で働くアクチン繊維を用いたユニークな運動メカニズムにより制御されていることが示唆された.

Copyright © 2012 日本植物形態学会

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