実践政策学
Online ISSN : 2189-1125
Print ISSN : 2189-2946
由緒および信仰的意義に着目した神社空間の自然災害リスクに関する研究
和歌山県下の398社を対象として
高田 知紀桑子 敏雄
著者情報
ジャーナル フリー

2016 年 2 巻 2 号 p. 143-150

詳細
抄録
本研究は、「ある土地において信仰上の重要な役割をもつ神社は、自然災害発生時においても安全性を担保しうる立地特性を有している」という仮説にもとづいて、和歌山県下の398社の神社を対象に、その自然災害リスクのポテンシャルを検証することを目的としている。GISを用いた分析、および現地調査を通して、津波、河川氾濫、土砂災害のそれぞれのリスクと神社の立地との関係を分析した結果、和歌山の土地に深いルーツを持つイソタケル系神社、熊野系神社、王子系神社の多くは、自然災害に対してのリスク回避性が高い立地であることを明らかにした。特に、和歌山県において古代から信仰上の重要な意味をもつ王子系神社の立地特性は、津波、河川氾濫、土砂災害のいずれの災害リスクも回避しうるものであることを示した。この研究成果は、伝統的に、神社の立地には災害リスク対応という人びとの意識が反映されていることを意味しており、今後の防災・減災計画を検討するうえでふまえるべき重要な知見となる。
著者関連情報
© 2016 実践政策学エディトリアルボード
次の記事
feedback
Top