2022 年 12 巻 1 号 p. 3-14
永らく自己免疫性筋炎は,主に皮膚所見の有無によって皮膚筋炎と多発筋炎に分類されてきた. しかし近年の筋病理学および血清学の進歩により,小児自己免疫性筋炎には,少なくとも,皮膚 筋炎,免疫介在性壊死性ミオパチー,抗合成酵素症候群の3つの独立したサブタイプが存在し,そ れぞれ異なる病態を有することが明らかとなった.一方,病理学的定義を満たす多発筋炎の存在 は疑問視されており,臨床的に小児多発筋炎とされる例のほとんどは,免疫介在性壊死性ミオパ チー,抗合成酵素症候群皮疹のない皮膚筋炎のいずれかであると考えられる.