2018 Volume 9 Issue 1 Pages 31-34
【緒言】全身性エリテマトーデス (SLE)はしばしば無月経を伴い,原因は原病によるものと治療 の副作用として出現するものに大別できる.【方法】2014年4月から2016年3月の間に当科にて診断 された小児期発症SLE 6例のうち,原発性無月経を来した5例について診療録を用いて後方視的に 検討した.【結果】平均14.7歳,中央値14.8歳 (14.6〜15.0歳)で,全例で腎生検実施後にステロイド パルス療法2コース後に,プレドニゾロン内服が開始されていた.腎生検でIV型と診断された1例は, 卵巣凍結保存後にシクロホスファミドパルス療法を施行されていた.初発時に続発性無月経を伴っ ていた5例は全例で正常月経が再開していた(治療開始後平均233.8日).【考察】今回の検討では,5 例ともに初診時に無月経を伴っており,治療開始後に全例で月経が再開していたことから,SLE発 症に伴い消失していた月経が,SLEに対する免疫抑制療法により再開したと考えた.