小児リウマチ
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壊疽性膿皮症を合併しSweet症候群として初期治療を行った腸管ベーチェット病の1 例
佐藤 法子山出 史也青柳 直樹柴田 涼平中野 泰至齋藤 武下条 直樹
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2018 年 9 巻 1 号 p. 70-75

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抄録

壊疽性膿皮症は,下肢中心の小膿疱や丘疹で発症し,急速に潰瘍を形成する無菌性膿皮症であり, 炎症性腸疾患や血管炎などに合併することが多い.症例は2 歳女児.発熱と咽頭発赤が1 週間持 続した後,間歇的腹痛と下腿の膿痂疹が出現,抗菌薬投与を行うも3 cm大の潰瘍を形成したため, 第18病日に当院へ転院となった.潰瘍は創洗浄と軟膏処置で速やかに上皮化し,壊疽性膿皮症と しては非典型的であった.点滴刺入部や手指,口唇に無菌性膿瘍が出現した.HLA-A26/B51/B54 は陰性,眼症状は認めず,皮膚病理所見からSweet症候群と診断した.prednisolone(PSL)投与開 始後,速やかに解熱し腹痛や皮膚症状の改善を得た.PSL減量中に発熱,腹痛,皮膚粘膜症状の増 悪を認め,消化管内視鏡検査で結腸広域に多発潰瘍がみられ,腸管ベーチェット病と診断した.ベー チェット病・Sweet症候群・壊疽性膿皮症は臨床症状が重複するため,診断後も症状の変化に注意 し,診断・治療の見直しや合併症の検索を行うことが重要である.

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© 2018 一般社団法人 日本小児リウマチ学会
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